アップデート10.3 パッチノート

今回はいつもの開発者動画ではなく、パッチノートで変更点に関する解説をしていきます。本パッチにはバランス調整、ドラフトのアップデート、ゲーム修正が含まれます。


まずはバランス調整から見ていきましょう。パッチ10.3は次の3点に主眼を置いています:

- 「ワイルドハント」、「エルフ」、「炎誓い」アーキタイプの活性化

- 北方諸国、ニルフガード、スケリッジで使用頻度の高い圧縮カードのコスト上昇

- その他のアーキタイプおよび戦術に向けた軽微なバフ


ニュートラル

《ゲラルト:クエン》:「熱狂」の条件を3から4に変更


《魔法のランプ》:《ランプのジン》を「破滅」を持つトークンに変更


《三角形の中の三角形》:構築コストを9から8に変更


モンスター

《オーベロン:王者》:配備アビリティを以下に変更:

自軍デッキに最初から組み込まれているブロンズ「ワイルドハント」ユニット1体を生成してプレイする。


《エレディン・ブレアック・グラス》:戦力値を6から7に変更


《ワーラット》:アビリティを以下に変更:

命令:自身が得ているブースト量に等しい数の《鼠》を配置列に生成した後、生成された《鼠》1体につき、1ブーストを失う。(クールダウン:1)

自軍ターン終了前に、右隣のユニット1体を捕食する。


《冬の女王》:献身アビリティを以下に変更:

両方のプレイヤーがパスすると、敵陣に発生している霜の持続ターン数1ターンにつき2ブーストを得る。


《キメラ》:「熱狂」の条件を4から5に変更


《赤の騎兵団》:アビリティを以下に変更:

何れかを選択:

何れかの敵陣列に霜(2ターン持続)を生成した後、ブロンズ「ワイルドハント」ユニット1体を再度プレイする。

敵陣両列に霜(2ターン持続)を生成する。


《スリザード》:戦力値を5から4に変更、構築コストを5から4に変更


《ワイルドハントの航海士》:アビリティを以下に変更:

配備:自軍ユニット1体に、そのユニットの反対列に発生している霜の持続ターン数に等しいブーストを与える。

支配:代わりに自軍ユニット1体に敵陣に発生している霜の持続ターン数に等しいブーストを与える。


《ワイルドハントの戦士》:アビリティを以下に変更:

配備:敵軍ユニット1体に2ダメージを与える。

支配:さらにそのユニットの配置列に霜(1ターン持続)を生成する。


「ワイルドハント」は過去に何度か勢いがあった時期もありましたが、最近はあまり振るわないため、パッチ10.3では「霜」アーキタイプが使いやすくなるよう様々な変更が加えられます。

見直しが行われたカードには、《ワイルドハントの航海士》、《ワイルドハントの戦士》など、デッキに組み込まれることが少なかったカードも含まれます。その他にも《オーベロン》の最終形態に柔軟性を加える改良を行い、無作為にではなく初期デッキの中から好きな「ワイルドハント」ユニットを選べるようになります。

《冬の女王》にも変更を加え、対戦相手がパスした場合に「霜」がアドバンテージを失ってしまう欠点をなくしました。ワイルドハントのメイン戦術では「成長」が発動されない可能性も高いため、「成長」を上記のアビリティに置き換えます。これにより、天候適用時のテンポの遅さという「霜」デッキの大きな弱点をカバーできればと思います。これらの変更が狙いどおり機能するかどうかにかかわらず、今後もワイルドハントのサポートは続けていきます。

さらに、「捕食」カードの一部をわずかに強化しました。特に目立った変更があるのは《ワーラット》です。『グウェント』におけるターン終了時アビリティの性質上、《ワーラット》は《ルーヒン》や《サキュバス》といった一部の「遺言」カードと噛み合いませんでした。この制約を回避するため、《ワーラット》のアビリティがターン終了時アビリティより前に発動するようにしました。また、今後は《ワーラット》の「命令」を実行しても戦力値は初期化されず、生成された《鼠》の数に等しい値だけ減るようになります。


北方諸国

《コーエン》:アビリティを以下に変更:

【勇躍】

命令:《コーエン》と等しい戦力値を持つ全ての自軍ユニットに、《コーエン》が得ているブースト量に等しいブーストを与える。


《ベロハン王》:戦力値を5から6に変更、戦力値の上限を4から5に変更、「献身」達成後の上限を5から6に変更


《攻城団長》:構築コストを4から5に変更

アビリティを以下に変更:

命令:自軍ユニット1体のクールダウンを1減らす。

あなたが「攻城兵器」ユニットをプレイする際、自軍手札にあるこのユニットをその左隣に召喚した後、カード1枚を引く。


北方諸国に対しては《ベロハン王》を軸に据えた戦術をわずかに強化しました。王自身のステータス向上に加え、《コーエン》が敵ユニットをブーストしなくなります。《コーエン》登場時は敵の盤面状況に応じて奥深い駆け引きが生まれると期待しましたが、使用頻度の低さをふまえ、より使いやすいように調整しました。

また、《攻城団長》の構築コストが5に変更されています。このカードは非常に戦績がよく、その威力と使い勝手のよさをふまえると、デッキに組み込む上でより多くのコストが必要と判断しました。「クールダウン」デッキへの軽微な調整として「命令」アビリティの追加も行っています。皆さんからの高い要望に応え、彼が現れる位置を右から左に変更して「乗組員」との相性を改善しました。


スコイア=テル

《トルヴィエル》:戦力値を5から4に変更

アビリティに以下を追加:

自陣に《エルフの名射手》がある場合、両方のアビリティを実行する


《ベルノシエル》:構築コストを12から11に変更


《ドル・ブラサンナの射手》:戦力値を5から2に変更

アビリティを以下に変更:

配備(近接):敵軍ユニット1体に3ダメージを与える。

配備(間接):敵軍ユニット2体に1ずつダメージを与える。

追撃:配置列に《エルフの名射手》1体を生成する。


《ドル・ブラサンナの弓使い》:戦力値を3から4に変更


《ヴリヘッド旅団の先鋒》:アビリティを以下に変更:

配備(近接):自軍手札にある「エルフ」ユニット1体につき、1ブーストを得る。

配備(間接):配置列にある自軍「エルフ」ユニット1体につき、1ブーストを得る。


《待ち伏せ》:アビリティを以下に変更:

敵軍ユニット1体に3ダメージを与えた後、《エルフの名射手》1体を無作為に選んだ列に生成する。


《アイセングリム・フルチアーナ》:戦力値を4から6に変更


《シーヒル》:構築コストを9から10に変更

アビリティを以下に変更:

【勇躍】

命令:自身と同じ戦力値を持つ他の全てのユニットを破壊する。


《ミルヴァ:狙撃手》:構築コストを11から10に変更


スコイア=テルに関しては「エルフのスワーム」アーキタイプに主眼を起きました。数値上の調整だけでなく、《トルヴィエル》には両方のアビリティを発動させる手段を加え、《ヴリヘッド旅団の先鋒》にはトークンと連携できる別のアビリティを与えました。《ドル・ブラサンナの射手》は「エルフ」ユニットを生成できるカードに変わり、《待ち伏せ》からは「追撃」を削除しました。

これらの変更によって大量ユニットの展開が容易になり、決定力が高まればと思います。

パッチ10.3では《シーヒル》の強化も行います。《シーヒル》は3年前の変更によって自身を破壊するようになりました。カード間の戦力値の幅が今よりも少なかった当時の環境は彼にとって都合がよく、《シーヒル》はゲーム内屈指の強カードでした。現在では状況が変わり、《シーヒル》を強化する必要があるだけでなく、プレイするのが楽しいカードにもなってほしいと考えました。そこで、今後は自身を破壊しないように変更しました。《シーヒル》使いにとって単純にアドバンテージがあるだけでなく、ポイントを失うことを恐れずに《シーヒル》を強化できるようになります。これは大きな強みになるため、《シーヒル》の構築コストは10に変更されました。

《ミルヴァ:狙撃手》については構築コストを10に変更します。弱体化後も充分強いカードではありますが、彼女のパワーを最大限に活用するのは格段に難しくなったため、構築コストを1下げるのが妥当と判断しました。


スケリッジ

《シグヴァルド》:非ステータスアビリティによるダメージのみがカウントされることをアビリティテキストに反映。アビリティそのものに変更はありません


《テルショックの散兵》:構築コストを4から5に変更


スケリッジは強力なデッキのバラエティにとても富んでいる勢力です。そのためパッチ10.3ではスケリッジアーキタイプの強化は特に行いません。ですが《テルショックの散兵》の構築コストが5になったことで「破棄」ムーブのコストが高くなっています。「破棄」ムーブの活用はスケリッジプレイヤーにとって定番となっており、《テルショックの散兵》は《攻城団長》と同様、あまりにも簡単に圧縮ができると判断しました。この変更によって、スケリッジプレイヤーが他の安定化手段にも目を向け、「破棄」ムーブを活用するデッキを多少倒しやすくなればと考えています。


ニルフガード

《魔導暗殺者》:構築コストを4から5に変更


《攻城団長》や《テルショックの散兵》と同様、ニルフガードの強力な手札安定化手段についても、スケリッジと同じ意図で調整を行います。


シンジケート

《サイラス・エンゲルキンド・ヘメルファルト》:「聖職者」タグを追加


《天罰》:構築コストを7から6に変更

アビリティを以下に変更:

自軍ユニット1体を破壊し、構築コスト4の「炎誓い」ユニット1体を入手してプレイする。構築コストは破壊されたユニットの戦力値分だけ増える。


《破門》:構築コストを6から5に変更


《フォン・ハースト副長》:アビリティを以下に変更:

自軍ターン終了時、自陣に「聖職者」ユニットがある場合、配置列に《炎誓いの狂信者》1体を生成する。

謝礼(1):《炎誓いの狂信者》1体を《炎の薔薇の歩兵》に変身させる。


《ロデリック・ド・ヴェット》:構築コストを7から6に変更


《ホアソンの見世物》:構築コストを7から8に変更


《炎の薔薇の聖職者》:利益を2から3に変更


《永遠の炎の使徒》:「聖職者」タグを追加、謝礼を2から1に変更


《永遠の炎の尋問官》:戦力値を3から4に変更、構築コストを5から4に変更

アビリティを以下に変更:

配備:「炎誓い」トークン1体を破壊し、4ブーストを得る。

2ターン後、破壊したトークンの同名カード1枚を配置列に生成する。


《孤独な王者》:アビリティを以下に変更:

【耐性】【勇躍】

命令:配置列にある全ての「炎誓い」トークンを破壊した後、それらの戦力値の合計に等しいブーストを得る。(クールダウン:2)


パッチ10.3におけるシンジケートの主な目標は、「炎誓い」アーキタイプに関心を持ってもらうことです。調整後の《天罰》では、より多くの犠牲を払うことで《堕落した騎士》や他の「炎誓い」カードが得られます。また、《天罰》は、盤面のスペースを失うことなくユニットをプレイできるメリットもあります。《フォン・ハースト副長》は「備蓄」(この能力は「引き潮団」とのシナジーを引き立たせたいと考えています)を取り払い、自陣に「聖職者」ユニットがあれば《炎誓いの狂信者》を生成できるようになりました。《孤独な王者》はより柔軟に盤上のスペース管理を補助できるようになります。そして《永遠の炎尋問官》は1体のユニットを2度生成することを可能にします。これらの変更の他にも、「炎誓い」の活躍機会を増やす様々な改善が施されています。


ドラフトの変更

進化型カードは全て基本バージョンで獲得されるように変更

「自然」パッケージ:《予見のオーブ》を削除

「事前バフ」パッケージ:《ヴリヘッド旅団の破壊工作員》を《生命の循環》に変更

「事前バフ」パッケージ:《ドワーフの扇動者》を《豊穣な収穫》に変更

「呪文 - ニュートラル」パッケージ:《不滅の渇き》と《降伏》を削除

「フォグレット - シニング」パッケージ:「アーチスポア - シニング」パッケージに変更

「遺言」パッケージ:《カタカン》を《アバヤ》に変更

《オールド・スピアチップ:睡眠》:全てのパッケージから削除

「急襲」パッケージ:《鯨捕りの勇士》を削除

「懸賞金」パッケージ:《変異猟犬・強》を削除

「活力」パッケージ:《シャニ》を削除

「活力」パッケージ:《ホースト・ボルソディ》を削除

「入手」パッケージ:《アダリア女王》を《フィラヴァンドレル》に変更

「急襲」パッケージ:《血の鷲》を削除

「雨」パッケージ:《海への供物》を《フクシャ》に変更

「雨」パッケージ:《世捨て人》を《海の伝令》に変更

「雨」パッケージ:《人魚語の歌い手》を《小さな人魚姫》に変更


ゲーム修正

《炎の番人》が貢物アビリティによって自身を正しくブーストするように修正

《マンゴネル》が、《魔術師の潜入工作員》の追撃アビリティのあとで自軍ユニットにダメージを与えないよう修正。ダメージは《魔術師の潜入工作員》がプレイされた両隣の生存ユニットに与えられます

《メガスコープ》と《ソヴ・アニメイ:結束》のアビリティテキストに、存在しないカードの説明が表示される場合がある不具合を修正

《瞬間移動》で《攻城兵器》を再度プレイした際、《攻城団長》の配備アビリティが余分に発動しないよう修正

《ヴァン・ムーアレヘムの召使》が懸賞金状態をコピーした際、ブースト量を1少なくカウントする不具合を修正

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